マセラティ京都看板ベアー、僕と三島と金閣寺。の巻 |
今日も今日とて
マセラティ京都で看板ベアーをやっております、僕です!
さて、唐突ですが。
皆さまは
「金閣寺を燃やしたいと思ったことはありますか?」
ない、とお答えのあなたは
きっと健やかでヘルシーで健康です。
ある、とお答えのあなたは
今すぐその血走った目に目薬をさし、
震える肩を全力で脱力させ、
灯油とライターを身辺からなるべく遠ざけてください。
なぜ僕が、藪から棒にこんな質問をしたのか。
それはもう単純至極。
三島由紀夫の『金閣寺』が
とてもとても好きだから!!!
僕は三島の11歳年上なのですが
いやあもう、彼の文才といったらもう、ね。
時代の寵児が実在の事件を圧倒的な美文で描き上げる。
これほど恐ろしいことがありましょうか。
1950年7月2日、金閣寺焼失。
放火犯人は寺の青年僧。
当時のこの衝撃を、この惨劇を、
三島は典雅な文体によって芸術にまで昇華している。
皆さま、ぜひ今一度
三島の美しき筆致によって描かれる金閣寺を
味わってみてください。
「池は夕日に照らされ、錆びた古代の銅鏡のような鏡面に、金閣の影をまっすぐに落としていた。水草や藻のはるか下方に、映っている夕空があった。その夕空は、われわれの頭上にある空とはちがっていた。それは澄明で、寂光に満たされ、下方から、内側から、この地上の世界をすっぽり呑み込んでおり、金閣はその中へ、黒く錆び果てた巨大な金無垢の碇のように沈んでいた。」
こちらは、主人公の青年僧が
父に連れられ初めて金閣寺を訪れたときの描写。
なんともはや、瀟洒でいて驕りのない、
流麗でいて力強い文体でしょうか。
現在の金箔化粧をした金閣とはまた違う
当時の面影を垣間見ることができます。
僕はよく、三島と飲みにいっておりました。
金閣寺を書き上げた彼は31歳。
そのときマセラティで看板ベアーをしていた僕は42歳。
齢こそ違えど、
金閣の美に魅せられた者と
クアトロポルテの美に魅せられた者。
そこはもう、阿吽の呼吸で、ツーカーの仲。
出会いは丸善京都本店。
積み重ねた本の上に檸檬を置いて立ち去る
誰かさんが人口に膾炙している、あの名店。
三島は奥のソファ席で、自著『仮面の告白』を
したり顔で読みふけっていて
僕はというと、これは本当に偶然も偶然
なんと三島が読んでいる本と同じものをはす向かいの席で
思案顔で読みふけっていた。
ふと、本から顔を上げると
三島と目が合う。
目が合う。
異様に目が合う。
頭脳明晰、博覧強記の皆さまは無論ご存知でしょう。
この『仮面の告白』という小説は
戦後日本を震撼させた同性愛チックなお話なのである。
そんな小説をお互い読んでいるわけで・・・・・・。
奥のソファ席からちらと三島が
こちらを向くたびに
なにかただならぬものを感じてしまう僕。
この、交錯する意味ありげな瞳が、
三島と僕の初対面。
まあそんな出会いから
“いろいろ”ありまして
飲みにいく仲になって
けれど、彼は死んじゃって。
長く生きるのって
けっこうきつかったりします。
それでもクアトロポルテの官能的なサウンドが
僕の人生を心地よいものにしてくれる。
これって、救いなんです。
大袈裟だけど、マセラティサウンドがなかったら
僕は今頃どうなってたか!
そんなちょっぴりアンニュイな空気感のなか
マセラティ京都からのお知らせです!
いやもうどんだけ導入部分長いんだよ!
って感じですが!
校長の話よりはマシでしょう、きっと。
今日は、新しいグッズのお知らせ!
白と黒と、マセラティブルーで!
金閣寺を燃やしたいと思ってる方も
特に燃やしたいと思ってない大半の方も
ぜひ、一度お手にとってみてください!
金閣の美しさにも
クアトロポルテの美しさにも
負けず劣らずの
マセラティグッズたち!
僕と三島の初対面のような
意味ありげな瞳が交錯するかもしれませんよっ!